VIDEO
情報発信・動画配信

帯状疱疹(2024.01)

近年、帯状疱疹を発症する人が増加していますが、皆さんは帯状疱疹がどういったものかご存じでしょうか。
帯状疱疹の原因は、水疱瘡 (みずぼうそう) の原因と同じ「水痘・帯状疱疹ウイルス」です。初めてこのウイルスに感染した時は、水疱瘡として発症します。1週間程度で治りますが、治癒後もウイルスは神経節 (末梢神経系の神経細胞が集まっている部分) 内に潜伏します。加齢や、ストレス、病気などで免疫が低下するとウイルスが再活性化し、帯状疱疹を発症するといわれています。特に50歳以上は帯状疱疹の好発年齢です。

帯状疱疹を発症すると、身体の左右どちらかに発疹や水疱が現れ、強い痛みを伴います。神経節に潜むウイルスが神経に沿って移動し症状を引き起こしますが、神経は全身に張り巡らされているため、様々な部位に症状が現れます。最も多くみられるのは胸から背中にかけてです。

また、顔面や眼の周囲も発症しやすい部位で、全体の半数以上が上半身に発症します。帯状疱疹のほとんどは、早めに医療機関に受診し治療を受ければ (発疹が出てから72時間以内に抗ウイルス薬を使うことが望ましいとされています) 完治します。しかし、帯状疱疹の治療が遅れた場合は、神経自体が傷つき、皮膚症状が治まった後も長期間にわたって痛みが続くことがあります。これを帯状疱疹後神経痛といい、その痛みは極めて強いです。帯状疱疹後神経痛を防ぐためにも、できるだけ早く治療を始めウイルスを抑えることが重要ですが、仮に皮膚症状が治まった後も痛みが続く場合は、医師に相談しましょう。

帯状疱疹の予防として50歳以上を対象とした帯状疱疹ワクチンの接種(予防接種)が推奨されています。予防接種をすることで免疫が強化され、発症をある程度予防することができ、仮に発症したとしても軽症で済むという報告があり ます。皮膚科などで接種できる場合があるため、50歳以上の方はワクチンの接種を検討するとよいでしょう(予防接種 の対象者等は医師にご確認ください)。また、発症予防には免疫力を低下させないことが重要です。免疫力を低下させないことは、帯状疱疹に限らず、様々な病気の予防にも大切なことです。食事や睡眠をしっかりとるなど規則正しい生活を心がけ、日々の体調管理に気をつけて過ごしましょう。