糖尿病って何?(2023.11)
皆さんは「糖尿病」という病気を聞いたことがありますか?糖尿病は、膵臓から出るホルモン (インスリン)が十分に働かず、血液中を流れるブドウ糖という糖(血糖)が増えてしまう病気です。インスリンは、血糖を一定の値におさめる働きがあります。血糖の濃度(血糖値)が何年間も高いまま放置されると、血管が傷つき、将来的に心臓病や、失明、腎不全、足の切断といった、より重い病気(合併症) につながってしまいます。
糖尿病の症状は、血糖値がかなり高くなければ現れません。そのため、症状がなく糖尿病だということに気がつかない人も多くいます。高血糖時の症状は、喉が渇く・水をよく飲む、体重が減る、疲れやすくなるなどがありますが、症状が全くないまま健診などで判明する人もいれば、急に高血糖の症状が現れて判明する人もいます。糖尿病の合併症などの重い病気にならないうちに健診でチェックをすることが大切です。
健康診断などで分かる糖尿病の多くはインスリンの分泌が減少したり、働きが悪くなるために起こります。 中高年以降に多くみられ、日本の糖尿病患者の約90%が2型糖尿病とされています。2型糖尿病とは、遺伝 的な体質に過食(特に高脂肪食)、運動不足、肥満、ストレスなどの生活習慣や加齢といった要因が加わり発症するとされています。また、肥満がなくても、内臓脂肪が増える「メタボリックシンドローム」と呼ばれる状態になると発症しやすくなります。
糖尿病対策・予防をする際には、健康的な食生活と適度な運動を行い、睡眠不足ストレスなどをできるだけ避けることが重要です。もちろん、肥満体型の人は体重を落とすことや内臓脂肪を減らすことが急務となってきます。
糖尿病は、日本国内でもその予備軍と合わせると約2,000万人もの患者さんがいるといわれています。40歳以上の人の5人に1人は、糖尿病を発症するという計算です。それほどにも身近な病気であるにも関わらず、日頃からしっかりと糖尿病対策をしている人は少ないのも事実です。栄養バランスの取れた健康的な食生活と適度な運動を日々コツコツと行い、糖尿病になってしまう前から正しく対策をしていきましょう。