難聴に気を付けよう!(2022.03)
3という数字が耳の形に似ていることから、3月3日は「耳の日」と日本耳鼻咽喉科学会の提案により制定されました。耳は、音を聞く役割のほか平行機能を保つ重要な働きをしている器官です。耳の健康を保つことができなくなると、難聴やめまい、耳鳴りなどの症状をきたす恐れがあります。
耳の老化は50歳代から始まります。特別な原因がなく、加齢とともに耳の聞こえが低下することで起こる難聴が 加齢性難聴です。音の振動を耳で受け取り、脳へ伝えることで音を認識しますが、加齢とともに音の振動を受け取る細胞が壊れ、減少していきます。この細胞は一度壊れてしまうと再生しないといわれており、加齢性難聴の原因になります。また、加齢の 他に大きな音がする工場などで長い間働いている人や、イヤホンやヘッドホンを使用して大きな音量で音楽などを長時間聴いている人もリスクが高まります(騒音性難聴)。さらに、生活習慣病や喫煙習慣のある人も難聴を悪化させるといわれております。これは、高血圧や動脈硬化などによって血流が悪くなり、必要な酸素や栄養が耳へ十分に運ばれなくなるからと考えられています。
現在、加齢性難聴の治療法はありませんが、生活習慣の見直しをすることで発症のリスクを軽減できます。また、既に症状がみられる人でも、補聴器などを使って音を聞き取りやすくするなどの対処も可能です。ただし、耳に合わない補聴器を使うとかえって難聴を進行させることがあるので補聴器専門店でのこまめな調整が必要です。
以前よりテレビの音を大きくするようになった、体温計などの電子音が鳴っても気付かなくなった、会話中に聞き 返すことが多くなった等の日常生活に困るような症状があれば、医療機関に相談してみてはいかがでしょうか。